RESEARCH

持続型エネルギー社会の構築に向けた熱エネルギーの研究。

アンモニア・水素燃焼

カーボンニュートラル社会の構築に向けて、アンモニア燃焼、水素燃焼が注目されていますが、アンモニアバーナーや水素バーナーでは窒素原子や水素原子が豊富に生成されるため、これらを工業炉に適用する場合、被加熱金属の表面において、意図しない窒化や脆化が進行してしまうことが懸念されています。本テーマでは、アンモニア・水素火炎による直接加熱が金属材の表面組成におよぼす影響を調査することを目的としています.NEDO-GIプロジェクトとして進めています。→ Click Here

壁面の化学的効果

壁面近くの火炎は壁の影響を強く受け、特に小型の燃焼器では、燃焼特性が著しく悪化します。これを壁面の消炎効果とよび、壁への熱損失による熱的効果と、壁表面での活性化学種(ラジカル)の表面反応に起因する化学的効果が存在しますが、化学的効果に関しては、評価が難しいため、そのメカニズムが未解明のままにされてきました。本テーマでは、プラズマなどを活用した独自のラジカル表面反応評価手法を駆使して,化学的効果を解明・モデリングすることを目的としています。→ Click Here

サバティエ触媒反応

再生可能エネルギーを燃料ガスの形態で貯蔵するPower-to-Gasコンセプトが注目されており、その中で、サバティエ触媒反応は、二酸化炭素と水素からメタンを生成する技術として重要な役割を担います。触媒にはニッケルなどが使用されますが,炭素析出など課題も多く、新たな触媒の開発が求められています。本テーマでは、薄膜技術とマイクロ流路を駆使して、これまで注目されてこなかった金属におけるサバティエ反応の可能性を探ることを目的としています。→ Click Here

表面反応の直接計測技術

表面反応は、吸着反応、表面拡散、会合反応、脱離反応の素過程から成りますが、それらの直接的な評価は容易ではありません。特に、反応性の高いラジカルの表面反応の定量化は困難を極めます。本テーマでは、超高真空環境と非平衡プラズマを組み合わせた分子線散乱装置や昇温脱離装置を新たに開発し、ラジカルを含む表面反応現象の理解とその詳細反応機構のモデリングに役立てることを目的としています。→ Click Here

表面反応の数値解析

本研究室では、上述の表面反応の実験と併行して、数値解析も行います。熱流動(連続の式、ナビエ・ストークス方程式、エネルギーの保存式、化学種の保存式、状態方程式)と、気相反応と表面反応の練成シミュレーションにより、触媒反応・表面近くの火炎構造の把握や表面反応の詳細素反応機構のモデリングなどに役立てています。

ガスタービン燃焼の能動制御

分散型エネルギーシステムの中核を担うマイクロガスタービンで使用される小型燃焼器では、高い負荷変動に伴い、クリーン安定燃焼の維持に課題を有します。本テーマでは、ガスタービン燃焼の典型的な熱流動である燃料・空気同軸噴流を対象とし、微小アクチュエータ群により、噴流の渦構造・混合の動的な制御を行うことで、異なる負荷状況で燃焼特性を改善することを目的としています。→ Click Here