アンモニア・水素燃焼

カーボンニュートラル社会の構築に向けて、アンモニア燃焼、水素燃焼が注目されていますが、アンモニアバーナーや水素バーナーでは窒素原子や水素原子が豊富に生成されるため、これらを工業炉に適用する場合、被加熱金属の表面において、意図しない窒化や脆化が進行してしまうことが懸念されています。本テーマでは、アンモニア・水素火炎による直接加熱が金属材の表面組成におよぼす影響を調査することを目的としています.NEDO-GIプロジェクトとして進めています。

・アンモニア火炎による金属試料の直接加熱試験

図1は、アンモニア火炎による金属試料直接加熱装置の模式図です。バーナー、壁面ホルダー、ヒーターの材質には、アンモニア火炎の影響を受けにくい石英ガラスやセラミクスを用いています。詳細素反応機構を用いた数値解析(図2)も援用することで壁面近傍の化学種濃度分布を把握するとともに、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)やEPMA(電子プローブマイクロアナライザ)により様々な燃焼条件下で加熱した試料の組成分析(図3, 図4)を進めています。これまでに、窒化用鋼では窒化と酸化が同時に進行すること、アルミでは酸化が主に進行し、また形成される酸化層の種類や厚みがアルミの種類によって大きく異なることを明らかにしています。得られたデータに基づきアンモニア火炎が被加熱物に与える影響を定量化・モデル化し、アンモニアバーナーの工業炉への適用に向けた具体的な開発設計指針を得ることを目指します。


図1 アンモニア火炎による金属試料直接加熱装置の模式図


図2 壁面と干渉するアンモニア火炎の直接写真と数値シミュレーション結果


図3 異なる当量比条件下で加熱したアルミのSEM-EDX表面組成分析結果


図4 異なる水素添加率で加熱したアルミのSEM-EDX表面組成分析結果